くれたけ心理相談室(高知支部) 水田 透 のご挨拶

水田透カウンセラー

宮沢賢治の童話に『やまなし』という短い物語があります。たった2ページほどの作品ですが、その中には、静かで深い世界が広がっています。

小さな蟹の子どもたちが、自分の目に映る世界の怖さや美しさ、不思議さを感じ取り、その思いを父親に語ります。父親は、そんな子どもたちの声に静かに耳を傾け、そっと見守りながら寄り添う物語です。

たとえば、こんな気持ちが浮かぶことはありませんか?

  • 気持ちがふさぎ込んでしまう
  • 誰かのことが気になって許せない
  • 誰かの目が気になってしまう
  • SNSでの出来事にざわついてしまう
  • 過去を思い出して悲しくなる
  • 未来が見えなくて不安になる

私もこれまでのどこかで、同じような気持ちを抱えてきました。

心理学とは、こうしたひとつひとつの心の声に向き合い、どうすればその重さが少しずつ軽くなるのか、昔の人々が考え抜いてきた知恵を集めたものです。ただ、心理学を学んだからといって、つらい気持ちがすべてなくなるわけではありません。

実際、私自身も時折心が重くなることもあります。そんなときに思い出すのは、これまで出会ったカウンセラーの方々のやさしさです。

くれたけ心理相談室のカウンセラーをはじめ、出会ってきた方々は本当にやさしい方ばかりでした。

どうしてそんなにやさしいのだろう、と考えてみると、きっと彼らもどこかでつらい経験をし、その痛みを知っているからなのではないかと思うのです。だからこそ、つらい気持ちに寄り添い、ただ静かに耳を傾け、そばにいることができるのだと感じています。

私が心理学を学び始めたのは、ユング派の臨床心理士である河合隼雄さんの言葉に心を動かされたからでした。

彼は、ユングに学び、箱庭療法や夢の解釈を通じて、来談者の言葉に深く耳を傾け、共に歩むことを何より大切にしていました。

心理学には、心を癒すための方法がたくさんあります。でも、その根っこにあるのは「人として」心の声に耳を傾けることだと思います。

宮沢賢治の童話に登場する、やさしい人々のように、私もあなたの心にそっと寄り添い、少しでも軽くなるお手伝いができればと思っています。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

※水田 透のプロフィール情報はこちらでご確認ください

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