蛹
悲しさって、一度経験すると
忘れても、どこかに残っている。
自分の底のほうに、ずっと眠っている。
孤独や寂しさは、
ある状況のなかで生まれる気持ちで。
それを持つこと自体が、悪いことじゃない。
正しさや間違いじゃなくても、
人を嫌いになったり、
自分が嫌いになったり、
そんなふうに感じてしまうこともある。
「あの人はどうしてあんなふうなんだろう」
「私はどうしてこうなんだろう」
そんなふうに思うとき、
自分がどこにいるのか、わからなくなる。
でも、それは「さなぎ」の時期なんだと思う。
今までのあなたが、
たくさんの感情や経験を受けとめて、
蝶になるための準備をしている。
渡り鳥のように、
この世界を越えてゆく力を
あなたはすでに持っている。
不可逆な変化のなかで、
痛みも迷いもぜんぶ抱えたままで、
それでも、前に進んでいくために。
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