夏至の朝、土を触る
夏至の朝。
いつもより少し早く目が覚めて、まっすぐ畑に向かいました。
朝の光はやわらかく、空気がまだすこしひんやりしています。
まずは、畑いっぱいに広がる雑草を一つひとつ抜いていく。
無心で手を動かしていると、からだの内側から静かになっていくのを感じます。
かぼちゃの花には人工授粉。
おしべとめしべをそっと合わせて、「どうか元気に実ってね」と願いを込める。
ズッキーニは少し病気が出ていたので、傷んだ葉を切って風通しをよくしました。
近くでウグイスの声がします。
まだ上手に鳴けなくて、「ホー、ホケ…」で止まってしまう。
でもその不器用さが、なんだか愛おしくて、聴きながらちょっと笑ってしまいました。
トマトの葉もすこし間引いて、とうもろこしには肥料を。
見上げると、チャーテの蔓がすももの木を追い越して空へと伸びていて、
そのたくましさに胸がすっとしました。
すももはほんのり赤く色づいているものを、収穫。
手のひらにのせたその実は、甘い香りと、初夏の太陽の記憶をまとっていました。
こうして土に触れていると、
「人間って昔からこうしてきたんだな」
という気持ちになります。
自然のリズムに合わせて、ただ、いま目の前のことをする。
それだけで、心がゆっくりと整っていくのだから、不思議ですね。
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