新しく生まれてくる命に「ありがとう」と言える世界で
新しくこの世界に生まれてくる小さな命を前にすると、
わたしたちの心の奥のやわらかい場所が、震えることがあります。
名前も、未来も、まだなにも知らない。
けれどその存在だけで、確かに世界はおおきく変わる。
そう感じる瞬間があります。
「ありがとう」
「よかったね」
その二つの言葉を、小さなこどもに向けてまっすぐ手渡せる。
そんな世界であってほしい。
そんな大人でありたい。
最近、私はそんなふうに思うことが増えました。
赤ん坊が生まれるとき、
それはそのこどもだけの出来事ではなく、
まるで世界そのものが、もう一度はじまるような感じがします。
誰かの愛が、そっと包み込み、
外の風や光が、この宇宙が、ひとつひとつ「大丈夫だよ」と告げているような。
その光の中で、私たち自身もまた生まれ直すことがあるのだと思うのです。
「こんな世界だったらいいな」と願う気持ちは、
現実逃避ではなく、
現実を優しく作り変えるための第一歩です。
誰かの命にそっと触れるとき、
私たちはいつも“やり直し”のチャンスを受け取っているのかもしれません。
今日もこの世界のどこかで、
泣き声とともに小さな命が誕生している。
今日も誰かの誕生日なのです。
どうかその子が、
「生まれてきて良かった」と思える日々を、歩けますように。
祈りたいと思います。
そして私たち大人もまた、
小さな生命を通して自分の存在を思い出し、
静かに、やわらかく、生まれ直していけますように。
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