生きているということ

私たちの心は、本当に忙しいものです。
楽しい出来事があっても、どこかで不安を感じたり、
「もう大丈夫」と思ったそばから、また涙がこぼれたり。
心は、まるで波のように寄せては返しながら、
そのたびに少しずつ姿を変えていきます。

でも私たちは、ときどきその“揺れ”を悪いことのように感じてしまうときがあります。
落ち込む自分を責めたり、うまく笑えないことに焦ったり。
「こんな気持ちじゃいけない」「ちゃんとしなきゃ」と思うほどに、心はさらに窮屈になっていくのかもしれません。

けれど、泣いたり笑ったりするのは、
それだけあなたが一生懸命に生きている証です。
痛みも、怒りも、涙も、笑いも、喜びも、
すべてが“感じる力”のあらわれです。
そして、その力があるからこそ、
やがて人はやさしさや愛を知ることができるのだと思います。

カウンセリングでは、
そんな「忙しい心」を、少しだけ休ませたり、あらためてふりかえる時間をつくります。
うまく話そうとしなくても大丈夫。
何をどう感じているのか、自分でもわからないままでいいんです。
言葉にならない思いを、そのまま置いておける場所。
そこから、少しずつ心はほどけていきます。

人は、痛みを抱えながら生きています。
それを消そうとするよりも、
「抱えながら生きていく」ということを、
自分の中で少しずつ許していけたらいい。
そうやって、誰もが少しずつ、
自分を受け入れ、変わっていくのだと思います。

泣いたり笑ったりしながら、
それでも生きていく。
その歩みを、私はそっと見守り、支えさせていただけたらと思っています。

投稿者プロフィール

水田 透
水田 透くれたけ心理相談室(高知支部)心理カウンセラー
相談者様の心にそっと寄り添い、少しでも軽くなるお手伝いができればと思っています。
心理カウンセラー 水田 透

コメントはお気軽にどうぞ