歩いていると、 考えても仕方のないことが 少しずつ身体の外へ出ていく。 答えは見つからなくても、 風の向きや空の色を見ているうちに、 問いとの付き合い方が変わることがある。
洗濯物を干していると、 暮らしとは、 こういうことなのだと思う。 大きな答えはなくても、 乾いていく布のように、 少しずつ整っていくものがある。
植物を眺めていると、 急がなくてもいいのだと思う。 花を咲かせる日もあれば、 根を伸ばす日もある。 目には見えなくても、 育っている時間がある。
夜道を歩くのが好きだ。 昼間は見えなかったことが、 暗くなると見えてくる。 考えすぎていたことも、 歩いているうちに 身体の後ろへ置いてこられる。
古本屋が好きだ。 誰かの人生を通り過ぎてきた本が 静かに並んでいる。 読み終えた人と、 これから読む人。 そのあいだを本が 黙ってつないでいる。
私は図書館が好きだ。 そこには、 近すぎず、遠すぎない距離がある。 誰も誰かを支配せず、 誰もひとりにされていない。 森や海にいるときに感じる、 あの静かな安心に少し似ている。 本に囲まれながら、 自分の輪郭を取り戻せる […]
誰かにわかってほしい気持ちはあるのに 本当に話したら 伝わらないかもしれないと思ってしまうこともあります 軽く受け流されたり 思っていたのと違う形で理解されたり そんな経験が積み重なると 言葉は少しずつ慎重になる だから […]
弱さがあるから 立ち止まる 弱さがあるから 助けを求める 弱さがあるから 誰かの涙が気になる もし完全に強くなれたなら 失うものも 少なくないのかもしれない &nb […]
弱さをなくそうとすると 弱さと一緒に やさしさも失ってしまいます 最初は傷つかないように 強くなろうとしたはずなのに いつのまにか 誰かの痛みに触れることまで 怖くなってしまうことがある 弱さは なくすものではなく 誰か […]
苦しいことが なくなるわけではない けれど 苦しみの中にいる自分を 見捨てないという生き方はある