フォーカシング ― 体が先に知っていること
「どうしてこんなに気持ちが重いんだろう」
頭で考え続けても、答えが出ないことがある。
そういうとき、心理哲学者のユージン・ジェンドリンが提案した「フォーカシング」という方法が、静かに助けてくれることがある。
やり方はシンプルだ。
静かに座る。今、なんとなく気になっていることをぼんやり思い浮かべる。そのとき、体のどこかに感じる「何か」を探す。
胸のあたりが少し重い。胃のあたりがつまっている気がする。言葉にしにくい、でも確かにある感覚。
フォーカシングではそれを「フェルトセンス」と呼ぶ。
その感覚に、ぴったりくる言葉を探してみる。「重たい塊」でも、「黒い雲みたいな感じ」でも、「どこかがつっかえている」でも。
正しい言葉じゃなくていい。ぴったりくる言葉を。
すると不思議なことが起きる。
言葉が感覚に触れた瞬間、何かがふっとほどける感覚がある。頭で無理に考えなくても、体のほうが先に答えを知っていた、ということがある。
私はこれを知ったとき、「心理療法というより哲学に近い」と思った。
「何を感じているか」ではなく、「体がどう感じているか」に耳を傾けること。
頭を使うことに疲れたとき、少し立ち止まって、体の声を聞いてみる。
そういう時間を、自分自身にも持ちたいと思っている。
投稿者プロフィール

最新の記事
カウンセリング2026年3月9日いつも謝ってばかり
カウンセリング2026年3月8日フォーカシング ― 体が先に知っていること
カウンセリング2026年3月7日誤解があるなら
カウンセリング2026年3月6日一人が怖いのに、人といると疲れる人へ


