振り返る時間は、 過去の自分を裁くためにはありません。 「あのときは、 あれが精一杯だった。」 そう認められたとき、 ようやく次の一歩が見えてきます。 責めるほど、 過去は重くなります。 受け止めるほど、 過去は静かに、 […]
その人の語ることよりも、 目の前にあるものを見つめる。 いま、そこに積み重なっているもの。 これまで、そこに残されてきたもの。 歴史と今、それを見つめてみる。 言葉は願いを語るこ […]
自分に嘘をつくことは、 案外むずかしくありません。 「これくらい平気」 「本当は気にしていない」 「まだ頑張れる」 そう言い聞かせながら、 毎日を過ごしてしまうことがあります。 誰かをだますためではなく、 今日を乗り切る […]
言わなかったことは、 消えてしまうのでしょうか。 そんなふうには思えません。 むしろ、形にならなかったものほど 長くそこにいます。 ふとした沈黙や、 窓から入る風に混じって、 何度でも姿を変えながら。 言葉は、何かを残す […]
目を閉じると、 聞こえてくるものがあります。 耳を澄ませているわけではないのに、 遠くの気配が、 心へ届くことがあります。 言葉はなくても、 世界は絶えず話しかけています。 その声は、 静かな日にしか聞こえないのではなく […]
大人になると、 上手に描こうとします。 正しく、 整えて、 間違えないように。 でも、心が動いた跡は、 きれいな線の中ではなく、 ためらわずに引かれた線のほうに残っています。 表現とは、見せる技術ではなく、 その人がそこ […]
集まる場所には、 安心があります。 けれど、安心はいつも、 静けさと同じ場所にはありません。 同じ方向ばかり見ていると、 小さな声ほど、 聞こえなくなっていきます。 誰もいない道を歩く時間は、 孤独になるためではなく、 […]
一本では頼りなく見えるものも、 いくつか重なると、 思いがけない強さになります。 形をそろえなくても、 同じ色でなくても、 向かう先が少しだけ似ていれば、 そこには新しい景色が生まれます。 細いもの同士は、 気づかないと […]
同じ場所に立っていても、 見える景色が違うことがあります。 ある日には始まりに見え、 ある日には終わりに見えます。 動いているのは、 風なのか、季節なのか、 それとも自分なのか。 わからなくなる瞬間があります。 そのたび […]
小さなものほど、 よく見ていると急いでいます。 けれど、その急ぎ方は、 誰かに追われているようには見えません。 迷いながらでもなく、 競い合っているようでもなく、 ただ、自分の役目へ戻っていくような足取りです。 速さばか […]