やらかした時に、どうするべきか

 

大失敗をしてしまった。

取り返しのつかないことをしてしまった。

そう感じたとき、最初に頭の中に湧いてくるのは

「自分が悪い」という言葉ではないでしょうか。

その声が、繰り返されます。

繰り返されるうちに、少しずつ息ができなくなっていきます。

 

まず生き延びることを優先する

失敗した直後に「きちんと受け止める」必要はありません。

むしろ、受け止めようとすること自体が

今この瞬間の自分には早すぎることがあります。

追い詰められた状態では、まともに考えられません。

まともに考えられない状態で「自分の責任」に向き合うと、

人はどこまでも深みにはまっていきます。

だから最初にすることは、ひとつだけです。

自分を守り切って、生き延びること。

それだけでいいのです。

 

最初は、他人のせいにしていい

「自分だけが悪いのか?」

そう思ったとき——

頭の中だけで、少し責任を分散させてみてください。

あの人にも、ミスがあった。

あのタイミングが、悪かった。

もし状況が違えば、こうはならなかった。

これは「責任逃れ」ではありません。

押しつぶされそうな重さを、

一時的に軽くするための、緊急処置です。

外に向かって責任転嫁することを推奨している、ということではありません。

誰かを傷つけろということでもありません。

ただ、自分の内側で——

少しだけ荷物を下ろしていい、ということです。

 

思いきり、愚痴っていい

次に、愚痴ってみてください。

信頼できる誰かに、または紙の上に。

「あの状況が悪かった」

「周りにも問題があった」

「自分だけじゃない」

社会的な正しさは、いったん脇に置いていいのです。

保身も、自己弁護も、してしまっていいのです。

その言葉が「本当のこと」かどうか、今は関係ありません。

ショックを分散させることが、今の目的だからです。

愚痴ったあとは、気晴らしをしましょう

好きなものを食べて、眠って、少し忘れる。

エネルギーを取り戻すために。

 

自分を責める人は、真面目な人だということを忘れないでください

ここで、ひとつ伝えたいことがあります。

失敗して、自分を責めてしまう人は——

根っこのところで、真面目なのです。

いい加減な人は、そんなに責めません。

どうでもいいと思っている人は、追い詰められません。

自分を責めているということは、

それだけ真剣に向き合っていたということでもあります。

そのことを、どうか忘れないでいてください。

落ち着いたあとに、ようやく整理する

嵐が過ぎたとき——

気持ちが少し落ち着いたとき——

そのときはじめて、失敗を静かに見直してみてください。

遠い先の未来でもいいのです。

その時がこなくてもいい。

でも、もし来たのなら、

何が起きたのか。

自分はどう関わっていたのか。

次に活かせることは何か。

それを見つめてみる。

これができるのは、生き延びたからです。

逃げて、休んで、エネルギーを取り戻したからです。

 

失敗から学ぶということは、

失敗した直後に自分を責め続けることではありません。

ちゃんと生き残って、

落ち着いた目で、もう一度見ることができる——

それが、本当の意味での「真面目さ」だと思います。

 

闘うために、逃げていい

失敗は、終わりではありません。

今すぐ、向き合わなくていいのです。

今すぐ、受け止めなくていいのです。

まず逃げて、守って、休む。

その先に、また立ち上がる力が戻ってきます。

闘うために、逃げていいのです。

 

参考文献:畑村洋太郎『やらかした時にどうするか』(ちくまプリマー新書)

投稿者プロフィール

水田 透
水田 透くれたけ心理相談室(高知支部)心理カウンセラー
相談者様の心にそっと寄り添い、少しでも軽くなるお手伝いができればと思っています。
心理カウンセラー 水田 透

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