失望と疲れ

信じていたものに失望する時、

失われるのは、

相手への期待だけではないのでしょう。

そこへ向けていた、

自分自身の願いや、

祈るような気持ちも、

同時に崩れていく。

だから失望は、

静かに、

人の奥深くまで届くのだと思います。

深く届いてしまった失望は、

その後の見え方まで、

変えてしまうことがあります。

長く抱いていた理想も、

尊敬も、

「こんなものだったのか」

という感覚へ変わっていく。

強く信じていたものほど、

崩れた時の痛みは深いのでしょう。

けれど、

失望というものは、

ただ誰かに裏切られた、

ということだけではないのかもしれません。

「信じたかった」

という気持ちが、

行き場を失ってしまうこと。

だから心は、

怒りよりも先に、

深く静かに疲れていくのでしょう。

疲れや、悲しみの果てに、何も感じなくなる。

そうした失望を通ったあと、

以前のようには、

世界を見られなくなることがあります。

幻想が崩れていくことは、

残酷であると同時に、

現実へ近づいていくことでもある。

その痛みを知ったあとでしか、

辿り着けない静けさも、

人生にはあるのだと思います。

投稿者プロフィール

水田 透
水田 透くれたけ心理相談室(高知支部)心理カウンセラー
相談者様の心にそっと寄り添い、少しでも軽くなるお手伝いができればと思っています。
心理カウンセラー 水田 透

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